ピアノの録音練習は何を聴く?テンポ・旋律・フレーズを見直す方法

ピアノと音声波形を表示したスマートフォンで、録音から次の練習ポイントを見つけることを表す画像

「弾いているときは良いと思ったのに、録音を聴くと何か違う」

ミスは見つかっても、どこから直せばよいか分からない。録音が間違い探しだけで終わってしまうのはもったいないことです。

聴くテーマを一つ決めると、録音は次の練習を選ぶための材料になります。

ここでは曲がある程度弾けるようになった方に向けて、テンポ・メロディー・フレーズの終わり方を聴き返す方法を紹介します。発表会やコンクールへ向けた日々の練習にも取り入れてみてください。

目次

最初は一曲全部でなく短い範囲を録る

一曲を通して録音すると、気になることがたくさん出てくるかもしれません。最初は一つのフレーズや、レッスンで課題になった部分に絞りましょう。

スマートフォンを安定した場所に置き、短く試し録りして音が割れないか確かめます。録り直すときも置く位置をそろえると、前の演奏との違いを聴き比べやすくなります。

録音を聴きながら上達を振り返る使い方は、楽器メーカーのローランドも紹介しています。特定のアプリを用意することより、録った音を練習に戻すことを大切にしましょう。参考:ローランド「レコーダー」の説明。

短く録る、一つに絞って聴く、一か所を練習、同じ所を録り直すという録音練習の循環図。聴くテーマはテンポ・旋律・終わり方から一つを選ぶ

テンポは「難しいところの前後」を聴く

音を間違えずに弾こうとするあまり、難しい部分だけ遅くなったり、弾きやすい部分で急いだりしていないでしょうか。録音ではその前後も続けて聴いてみます。

足踏みや小さな手拍子で拍を感じながら聴くと、流れが変わる場所を見つける手がかりになります。表現のためにテンポを変えるところは、楽譜やレッスンで確認した意図と照らし合わせてください。

気になる場所が見つかったら、その前から短く取り出して練習します。苦手な音だけを弾けるようにすることと、前後の流れの中で弾くことを分けて考えると課題がはっきりします。

メロディーは「歌として聴こえるか」を確かめる

右手と左手を間違えずに動かすことに集中していると、聴かせたいメロディーが伴奏に隠れることがあります。録音では旋律を耳で追ってみましょう。

「どの音からどの音へ向かっているか」「途中で歌が途切れていないか」を確かめます。メロディーはいつも右手とは限らないので、まず楽譜の中で歌わせたい声部を見つけてください。

伴奏が気になるときも、ただ弱くするだけでは解決しない場合があります。どの音をどう聴かせたいかを整理し、手の使い方や音の出し方をレッスンで確かめましょう。

フレーズは最後の音まで聴く

弾き始めに意識が向く一方で、終わりの音を急いで離していたり、次の部分へ移る準備で響きが途切れたりすることもあります。短いまとまりの最後まで耳を向けてみてください。

静かに収めたいのか、次へつなげたいのか。楽譜を見ながら音楽の方向を考え、実際の録音がそのイメージに近づいているかを聴きます。

音の響きは部屋や録音する位置でも変わります。家庭の録音だけでホールの響きまで判断しようとせず、普段の練習で聴けることを一つずつ確かめましょう。

一つ直したら同じ部分をもう一度録る

気になるところを全部直そうとせず、今日は一つに絞ります。練習前と同じ範囲を録り直し、何が変わったかを聴いてください。

  • 聴く前:今日はテンポ、メロディー、終わり方のどれを見るか決める。
  • 聴いた後:気になった場所を楽譜に一つ記す。
  • 練習後:同じ部分を録り直して違いを確かめる。

「上手だったか」だけでなく「何を変えたらどう聴こえたか」を残しましょう。

自分では違いが分からなかったところも大切な相談材料です。録音と楽譜の場所をそろえておくと、レッスンで課題を共有しやすくなります。

当教室のブルグミュラーコンクール前のホール練習でも、普段とは違う場所で演奏を聴き直し、細かな部分を確認しました。自分の音を別の角度から聴く時間を、日々の練習にもつなげていきましょう。

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この記事を書いた人

楠雅子のアバター 楠雅子 楠雅子ピアノ教室 主宰

北海道苫小牧市光洋町の楠雅子ピアノ教室を主宰。ピティナ指導者賞22回受賞(2026年度まで)。初めてピアノに触れるお子さんから、上達・コンクールを目指す方、大人の学び直しまで、一人ひとりに合わせた個人レッスンを行っています。教室での取り組みや、練習・表現の考え方をお届けします。

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